工事ごとの利益が分からない原因と粗利の把握方法|小規模建設会社向け原価管理ツール比較

「工事ごとの利益が分からない」とは、請負金額は決まっているのに、材料費・外注費・自社職人の手間がいくらかかったのかを、工事が終わるまで、あるいは決算までつかめない状態です。会社全体では黒字でも、どの工事が持ち出しだったのかは分からないままになります。

困るのは、気づくのが遅いことです。最後の外注費の請求書が届いてから赤字と分かっても、施主への追加請求も段取りの見直しも間に合わず、同じ組み方の見積で次の赤字を繰り返すこともあります。

候補の製品を見る 3問で自社向けに絞る

よくある原因

実行予算を組まずに着工している

「材料にいくら、外注にいくら、自社の手間が何人工」という社内向けの予算がないため、使った金額が多いのか少ないのかを判断できません。

外注費・材料費の請求書が後から届く

協力会社や材料店の請求は月末締めでまとめて届くことがあり、発注した時点で金額を控えていないと、請求書が来るまで原価が見えません。

追加工事や仕様変更の精算が漏れる

現場で頼まれた追加や変更を口頭で引き受け、変更見積も請求も出さないまま引き渡すケースです。材料と手間は増えたのに、売上は契約時のままです。

自社職人の手間を原価に入れていない

外注費と材料費だけで計算すると、自社の職人が何日入ったかが抜け、粗利が実態より良く見えます。日報が工事と結び付いていないと、手間のかかった現場ほど数字と実感がずれます。

今のやり方で起きていること

Excelの工事台帳

請求書が届くたびに工事ごとのシートへ転記する方法です。月末にまとめて入力すると、着工中に見られる数字はいつも数週間前のものになり、担当者が休めば更新も止まります。

会計ソフトだけで管理

支払いと入金は正確に残りますが、記帳は請求書や支払いが起点のため、まだ請求の来ていない外注費や手配済みの材料は反映されません。工事名の付け忘れがあると、工事ごとの集計もずれます。

社長の感覚と通帳の残高

「この現場はだいたいこのくらい残る」という経験で判断する方法です。同時に動く現場が増えると、追加工事や外注の手配が記憶から抜け、感覚と実際の差に気づけなくなります。

DXツールで改善できること・できないこと

ツールで改善できること

  • 工事ごとに実行予算を登録し、発注や支払いが入るたびに予算との差を着工中に確認できる
  • 発注時点の金額を工事にひも付けて残せる製品なら、請求書が届く前でも原価の見込みをつかめる
  • 工事ごとの粗利や粗利率を一覧で並べ、利益の薄い工事や工種を見比べられる
  • 会計ソフトと連携できる製品なら、工事ごとに入れた原価を会計側へもう一度入力する手間を減らせる

ツールだけでは解決しないこと

  • 入力されていない原価は表示されない。口頭で頼んだ外注や現場で買った材料は、誰かが登録しない限り利益の計算に入らない
  • 赤字の兆しが見えても、施主に追加費用を相談する、手配を見直す、見積単価を改めるといった対応は人が判断する
  • 原価の計上時期や共通経費の扱いなど会計・税務上の処理は、ツールの集計とは別に税理士などへの確認が必要

ツールを選ぶポイント

発注した時点で原価を登録できるか

請求書を待たずに手配時点の金額を入れられるかで、着工中に見える数字の新しさが変わります。発注管理が基本機能か別料金のオプションかも確認します。

誰が、どこから入力するか

入力を社長や事務員1人に集めると、転記待ちで数字が遅れます。現場責任者に任せるなら、スマホで使えるか、専用ソフトのインストールが必要かを確かめます。

見積から請求までが同じ工事でつながるか

契約時の見積、追加工事の変更見積、請求額が1つの工事にまとまっていれば、原価だけでなく売上側の請求漏れにも気づけます。

自社職人の手間を工事に乗せられるか

日報や作業記録から工事ごとの人工を集計できるかどうかです。自社施工の割合が高い会社ほど重要になります。

この悩みに合う候補の製品

原価・利益管理 無料トライアルあり

uconnect

相性:高い

原価・粗利・実行予算の管理を主機能とする製品で、この困りごとに最も直接効きます。基本料6,000円+1ユーザー1,200円で、1人なら月7,200円、3人なら月9,600円(いずれも税抜)。freee・マネーフォワード・弥生と連携でき、30日間の無料試用(クレジットカード登録不要)と1か月からの契約で試しやすい製品です。初期費用は未確認です。

月額
7,200円
5人利用時の月額
12,000円
対象規模
1〜10人
詳細を見る →
施工管理・工程管理 無料トライアルあり

サクミル

相性:高い

顧客・案件・写真・報告・見積・原価・請求を一元管理する施工管理ツールで、見積から請求まで同じ場所で追えるため追加工事の請求漏れにも目が届きます。月額9,800円(税抜)で20アカウント込み、初期費用0円、スマホ対応で、現場責任者に入力を任せやすい条件です。60日間の無料試用あり。会計ソフト連携と、実行予算・労務費をどこまで扱えるかは未確認です。

月額
9,800円
5人利用時の月額
9,800円
対象規模
1〜30人
詳細を見る →
施工管理・工程管理

アイピア

相性:比較的高い

工務店・リフォーム向けの施工管理システムで、顧客・見積・工程・原価・発注・請求を一つの流れで扱えます。ブラウザだけで使え、スマホ対応、案件登録数の上限なし。ライトプランは月額10,000円(5ユーザー込み)と初期費用120,000円(いずれも税抜)。受発注機能と会計連携は別料金なので、発注時点で原価を押さえるなら総額の確認が必要です。1〜5人より少し人数の多い会社向けです。

月額
10,000〜20,000円
対象規模
6〜100人
詳細を見る →
原価・利益管理

どっと原価3

相性:要確認

原価・利益管理の専門製品で、弥生連携とAPI連携に対応しています。ただしクラウド版は最低12か月契約で、ライト(同時5人まで)が年額156,000円(月額換算13,000円、税抜)、別途の初期設定料金は金額未確認。見積・発注・日報は別料金オプション、専用ソフトのインストールが必要で、スマホ利用は有償の追加製品が前提です。無料試用はなく、無料のオンライン相談のみ。

月額
13,000〜23,000円
対象規模
1〜30人
詳細を見る →

候補の製品の比較表

製品名相性月額5人利用時の月額対象企業規模スマホ対応導入サポート電話サポート
uconnect 相性:高い 7,200円 12,000円 1〜10人 — あり あり
サクミル 相性:高い 9,800円 9,800円 1〜30人 あり あり あり
アイピア 相性:比較的高い 10,000〜20,000円 — 6〜100人 あり あり あり
どっと原価3 相性:要確認 13,000〜23,000円 — 1〜30人 なし あり あり

「5人利用時の月額」は、基本料金と追加ユーザー料金から計算できる製品だけ表示しています。プランで金額が変わる製品、従量課金や個別見積の製品は「—」です。「—」はほかの列では公式情報で確認できていない項目です。

導入前に決めておくこと

よくある質問

工事中は、どのタイミングで粗利を確認すればいいですか?

着工前に実行予算を決めたとき、外注や主な材料を発注したとき、追加工事や変更を受けたとき、引き渡し前の節目ごとに見直すのがおすすめです。追加工事の時点で差を確認しておけば、精算の話をその場で切り出せます。

まずはExcelで始めてもいいですか?

構いません。工事ごとに請負金額・実行予算・発注済み金額・支払済み金額を1行にまとめるだけでも、着工中の見通しは立てやすくなります。同時に動く現場が増えて転記が追いつかない、入力が1人に集中している、といった状態がツールを検討する目安です。

施工管理ツールの原価機能と、原価管理が主機能のツールはどう違いますか?

このページの候補では、サクミルとアイピアが見積・請求などと同じツールの中で原価も扱う施工管理ツール、uconnectとどっと原価3が原価・利益の管理を主機能とする製品です。利益が見えないことだけが悩みなら後者、現場の情報も散らばっているなら前者から検討すると選びやすくなります。

導入前に試せる製品はありますか?

uconnectは30日間、サクミルは60日間の無料試用があります。どっと原価3は担当者による無料オンライン相談のみで、アイピアは無料デモ体験の案内はあるものの、自分で操作できる試用かは確認できていません。

もっと絞り込みたい場合

会社の人数・業種も踏まえて、3つの質問だけでおすすめの製品を絞り込めます。

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