工務店の見積作成を効率化する方法|時間がかかる原因と小規模向けツール比較

現場から戻って、夜の事務所で見積をまとめる。お客様に「見積はいつ出ますか」と催促され、急いで仕上げた見積に計算ミスが見つかる。従業員数人の工務店やリフォーム会社では、見積作成が社長や現場責任者の残業時間に押し込まれがちです。

時間がかかる原因は、金額の計算そのものより、単価の調べ直しや似た見積探し、現地調査メモの清書といった周りの作業にあることが多いです。このページでは原因を工程ごとに整理し、見積ソフトで短縮できる部分と、ツールを入れても変わらない部分を分けて説明します。

候補の製品を見る 3問で自社向けに絞る

よくある原因

単価を毎回調べ直している

材料の仕入れ値や職人の手間賃を、カタログや過去の請求書、電話でその都度確認している。最新の単価表が社内にないと、同じ項目でも見積のたびに調べ直すことになる。

似た工事の過去見積がすぐに見つからない

「前にも同じような浴室改修をやった」と覚えていても、ファイル名や保存場所がばらばらで見つからず、一から作り直してしまう。

現地調査のメモを事務所で清書し直している

現場で測った寸法や手書きのメモ、写真を見返しながら数量を拾い直して打ち込む。同じ情報を二度扱うので時間がかかり、転記ミスも起きやすい。

見積を作れるのが社長1人だけ

単価の相場観や値付けの基準が社長の頭の中にしかなく、他の人に任せられない。現場が忙しい時期ほど見積が後回しになる。

協力業者や仕入れ先の金額待ちで止まる

外注工事や取り寄せ品の金額が揃うまで見積を確定できず、その間は作りかけのまま止まってしまう。

今のやり方で起きていること

Excelの見積テンプレート

前回のファイルをコピーして上書きすると、前のお客様の名前や数量の消し忘れ、行を足したときの計算式のずれが起きやすい。単価を改定しても過去のファイルには反映されず、どれが最新か分からなくなる。

手書き・電卓

現場で概算を伝えるには早いが、正式な見積書にするには清書と検算がもう一度必要になる。控えが手元に残らないことも多く、次に似た工事が来ても参考にできない。

DXツールで改善できること・できないこと

ツールで改善できること

  • 工事項目と単価を登録しておけば、項目を選んで数量を入れるだけで金額が出せ、単価を調べ直す回数が減る
  • 過去の見積を顧客名や工事名で探し、複製して手直しする作り方に切り替えられる
  • 小計・諸経費・消費税の計算が自動になり、電卓での検算や計算式の崩れを気にしなくてよくなる
  • 見積と原価・請求を同じツールで扱う製品なら、受注後に同じ数字を別の書類へ打ち直す作業が省ける
  • スマホに対応した製品なら、現地調査の帰りなど事務所の外でも入力や確認ができる

ツールだけでは解決しないこと

  • 工事項目と単価の中身は自社で用意する必要がある。登録した単価が古ければ、間違った見積が早くできるだけになる
  • どこまで利益を乗せるか、値引きにどう応じるかという判断は、ツールが代わりに決めてくれない
  • 協力業者や仕入れ先からの回答が遅いことによる待ち時間は、ツールでは短くならない
  • 現地調査での測り忘れや確認漏れは防げない。拾い漏れは現場での確認手順を決めて減らすしかない

ツールを選ぶポイント

時間を取られている工程に効く製品か

単価調べや清書に時間がかかっているなら見積・積算が主機能の製品、受注後の実行予算や請求書の作成まで手間を減らしたいなら見積と原価・請求を一緒に扱える製品が候補になる。

単価と工事項目を最初に登録する手間

見積ソフトは、自社の単価と工事項目が揃って初めて速くなる。誰が登録するか、手元のExcelの単価表を取り込めるか、導入支援で手伝ってもらえるかを確認しておく。

見積を作る場所と端末

事務所のパソコンだけで作るのか、現場や車内でスマホから入力・確認したいのかで選べる製品が変わる。パソコンにインストールして使う製品もあるため、動作環境は必ず確認する。

いつもの見積を1件試せるか

操作のしやすさは、自社でよく作る見積を実際に入力してみないと分からない。無料トライアルの日数は製品ごとに違い、試用版がなくデモでの確認になる製品もある。

この悩みに合う候補の製品

見積・積算

楽王

相性:高い

積算・見積に特化し、小人数の事務所向けを打ち出している製品で、単価調べや清書の時間を減らしたい会社に向く。1ライセンスの楽王Crewは月額8,800円(税込)で、電気設備の単価データを標準搭載。2ライセンスの楽王Linkは月額14,800円(税込)。Windowsパソコン用のソフトでスマホには対応しておらず、無料体験版もないため、デモや動画で操作を確かめて判断する。

月額
8,800〜14,800円
対象規模
1〜10人
詳細を見る →
施工管理・工程管理 無料トライアルあり

サクミル

相性:高い

顧客・案件・写真・報告・見積・原価・請求を一つのツールで管理でき、案件の情報と見積を別々のファイルから探す手間を省きやすい。月額9,800円(税抜)で20アカウントまで含み、初期費用は0円。スマホに対応し、60日間の無料トライアル(登録後も自動課金なし)でふだんの見積を試せる。

月額
9,800円
5人利用時の月額
9,800円
対象規模
1〜30人
詳細を見る →
原価・利益管理 無料トライアルあり

uconnect

相性:高い

主な役割は原価・粗利・実行予算の管理で、見積もカテゴリに含む。見積後の利益管理まで手が回っていない会社なら検討する価値がある。基本料6,000円+1ユーザー1,200円(税抜)で、1人なら月7,200円。30日間の無料トライアルはクレジットカード登録不要。初期費用は公式ページで確認できていない。

月額
7,200円
5人利用時の月額
12,000円
対象規模
1〜10人
詳細を見る →
施工管理・工程管理

アイピア

相性:比較的高い

リフォーム・工務店向けの施工管理システムで、顧客・見積・工程・原価・発注・請求までを一気通貫で扱え、ブラウザとスマホから使える。ライトプランは月額10,000円(5ユーザー込み)・初期費用120,000円(いずれも税抜)で、会計連携・受発注機能は別料金。1〜5人より少し人数の多いリフォーム・建築会社向き。無料トライアルの有無は確認できていない。

月額
10,000〜20,000円
対象規模
6〜100人
詳細を見る →

候補の製品の比較表

製品名相性月額5人利用時の月額対象企業規模スマホ対応導入サポート電話サポート
楽王 相性:高い 8,800〜14,800円 — 1〜10人 なし あり あり
サクミル 相性:高い 9,800円 9,800円 1〜30人 あり あり あり
uconnect 相性:高い 7,200円 12,000円 1〜10人 — あり あり
アイピア 相性:比較的高い 10,000〜20,000円 — 6〜100人 あり あり あり

「5人利用時の月額」は、基本料金と追加ユーザー料金から計算できる製品だけ表示しています。プランで金額が変わる製品、従量課金や個別見積の製品は「—」です。「—」はほかの列では公式情報で確認できていない項目です。

導入前に決めておくこと

よくある質問

見積ソフトを入れると、見積1件あたりどれくらい早くなりますか?

時間の内訳によって変わるため、一概には言えません。単価調べや過去見積探し、清書に時間を取られている場合は短縮しやすい一方、現地調査や協力業者の金額待ちが主な原因なら大きくは変わりません。まずは直近の見積で、どの工程に時間がかかっているかを確かめてください。

現地調査のあと、その場で概算を出せるようになりますか?

スマホに対応した製品なら、事務所に戻る前に入力や確認ができる可能性があります。今回の候補ではサクミルとアイピアがスマホ対応、楽王は非対応で、uconnectは建設コンパスでは確認できていません。スマホでどこまで見積を作れるかは製品ごとに違うため、試用やデモで確かめてください。概算の精度は登録単価の正確さ次第です。

導入した最初の月は、かえって見積に時間がかかりませんか?

工事項目や単価の登録、操作に慣れる時間が必要なので、最初はExcelより遅く感じることがあります。よく使う項目から登録し、繁忙期を避けて始めると負担を抑えられます。今回の候補4製品はいずれも導入サポートと電話サポートがあると公式に記載しているので、初期登録の進め方を相談してみてください。

見積作成を社長以外に任せられるようになりますか?

工事項目と単価が登録されていれば、事務担当者や若手でも下書きまでは作りやすくなります。ただし、値付けの最終判断までツールが肩代わりするわけではありません。下書きは担当者、最終確認は社長と役割を分ければ、社長が一から見積を作る時間を減らせます。

もっと絞り込みたい場合

会社の人数・業種も踏まえて、3つの質問だけでおすすめの製品を絞り込めます。

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